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自由診療で医療展開を行う場合、自由診療による支払い能力がある方とない方を医療者がふるい分けをするとお考えの方がいます。これはもっともなようですが2つの点に対する理解が欠如しています。 @患者の権利を守るということ 医療は患者のものであり、患者自身がどのような医療を選択するかを決める権利を持っています。患者は自分自身の価値観や欲求に対し、適切であると理解したものを選択できなければなりません。自由診療により医療展開を行うことは、ひとつの選択肢でしかなく、医療者が患者を選別し都合のよい患者を集めることではありません。 A医療者の傲慢 患者に選択肢を与えず、たとえば保険診療でのみ医療展開を行うとすると、その医療の質は差異なく最善のものでなくてはなりません。なぜなら守られるべき患者の権利として、患者は最善の医療を受ける権利を有するからです。これに対し、多くの歯科医師は保険診療では満足なことができないと考えています。もしそう考えていないのであれば医療者の傲慢とは言えませんが、保険診療では満足なことができないと考えており、その実態を患者に説明することなく、あるいは医療の質を医療者の判断において違った状況で提供しているとしたならば、それは患者を冒涜した医療者の傲慢といえます。
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