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[ 2010/4/20 ] 脂肪毒性@  過剰な脂肪は脂肪細胞に蓄える
肥満によってからだに過剰な脂肪蓄積が起き、からだに有害な作用を起こす一連の作用を脂肪毒性といいます。もともと脂肪細胞は、エネルギーを蓄積して常に緊急に備えている細胞で、食べ物が不足し飢餓に襲われることが多かった人類が生き延びるために重要な働きをしていたのです。しかし人類が想定外の高脂肪食や過食を行うようになり、脂肪細胞はパック状態になったのです。脂肪が溜まりすぎると、皮下脂肪と腹腔内脂肪組織だけでは蓄えきれずに、今度は肝臓や筋肉などに蓄えられることになります。その結果、インスリンの作用を障害して糖尿病を起こしやすくさせるのです。
 インスリンの本来の作用は、筋肉・肝臓・脂肪細胞などにエネルギーを蓄積させることです。つまり筋肉・肝臓にはグリコーゲンとして蓄えられ、脂肪細胞では脂肪酸としてエネルギーが蓄積されます。しかし筋肉や肝臓のグリコーゲンとしての蓄積キャパシティーはわずかです。筋肉に約1日分、肝臓でも数日分のエネルギーしか蓄積できません。それを超えた余剰なカロリーはすべて脂肪酸として結局脂肪細胞に蓄えられます。その流れの中で、次第にインスリンが効きにくくなります。

『“食育”は歯科医療を変える』 クインテッセンス出版株式会社  丸森 英史 より
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