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人間の食の特徴は、食べるものの範囲が広いことです。母乳だけの栄養から、一人前の人間として栄養摂取ができるための離乳食は、健全な大人への通過点です。単純な甘さと脂肪の離乳食でインプリンティングしてしまうと、美味しいと思う味覚の範囲が、狭くなります。私たちは美味しさの情報に囲まれて生活しています。身体にとって必要なものを見分けるための味覚が、情報でインプリンティングされた快感を頼りに、食を選択する時代になってしまいました。今一度身体に必要なものを見分ける味覚を復活する必要があります。ジャンクフードで味覚がインプリンティングされると、血管の破綻が約束されてしまいます。 文明の尖端で待ち構えていたメタボリックシンドロームの改善策が適切な食事と運動であるとは、本来の生物としての人間のあり方に昔とそれほど変化がないことを示しています。
『“食育”は歯科医療を変える』 クインテッセンス出版株式会社 丸森 英史 より
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