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「禁煙ガイドライン」では,喫煙が「喫煙病」(依存症+喫煙関連疾患)という全身疾患であり,能動喫煙者は「禁煙治療を必要とする患者」とする認識がはじめて示されました。喫煙習慣の本質はニコチン依存症であり,是まで喫煙は「趣味や嗜好の問題」という考えが医療従事者の中でさえあったのに対し,9学会が「喫煙者は患者」という一石を投じたことになります。「喫煙者は患者」という考えは差別でなないかという人がいます。しかし「喫煙は趣味・嗜好ではなく病気」と理解して初めて,ニコチンを欲しているのは「自分」でなく「依存した脳」であり,毎日タバコ煙に晒されることにより,全身が侵されていくという実感を持ち,医療従事者の助けを求めようという気になると考えられます。また,医療従事者も通常,高血圧症,高脂血症などの生活習慣病を熱心に治療していますが,喫煙のリスクはそれらと同等以上であり,「喫煙は病気」と思えば生活習慣病の治療に対する意識と同様の意識を持つことが期待できます。 |
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