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薬物性唾液分泌低下の原因と対応 多くの薬剤には副作用として“口渇”があると報告されています。この場合の口渇とは「口腔内が乾燥している」と「のどが渇き、水が飲みたい」が区別されておらず、唾液分泌量低下が起こるのか、中枢神経の反応で飲水感が生じるのかは明確ではありません。 向神経薬(向精神病薬、抗不安薬、抗うつ薬)や高血圧の治療で用いられる利尿薬、カルシウム拮抗薬、抗ヒスタミン剤などは作用機序からも唾液分泌量低下が考えられ、実際に多くの服用者がみられます。風邪や花粉症、高血圧といった場合に使用するわけですから、服用者も多いことが容易に想像できると思います。ただし、口渇の副作用がある薬剤を服用しているからといって、安易に薬物性唾液分泌低下と判断することは禁物で、他の原因疾患を見落とさないように気をつけます。 (対応) 副作用は該当する薬剤の服用が中止されれば回復しますが、他院で治療手段として用いられている薬剤を安易に中断させることは、診療を妨げ、ときに致死的な事態になりかねませんので十分注意が必要です。歯科医師に薬剤を処方している主治医に書面で病状照会をしてもらい、また歯科医師から乾燥所見や検査結果を提示してもらい、病状のコントロール状態と服用薬の変更や減量が可能かどうか伺ってもらいましょう。
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