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生理的唾液分泌低下の原因と対応 全身疾患もなく、神経性や薬物性の唾液分泌低下も否定されるのに唾液分泌の低下が見られる生理的唾液分泌量低下があります。加齢現象としては唾液の分泌低下は起きないとされており、“年のせい”ではありませんが、原因はまだはっきりとはしておらず、廃用性萎縮や機能低下と考えられます。そのため「若いころには感じなかったが、ここのところ・・・」といった訴えで、中高年患者に多くみられます。 そもそも唾液の働きのひとつには、食塊形成や嚥下という摂食のための機能があります。咀嚼回数や咬合力の低下や、口腔周囲筋の廃用から、摂食のための唾液分泌も低下すると考えられています。加えて中高年では大きく口を開けて大声を出すことも少なくなっていますので、口腔周囲筋の機能低下は摂食機能以外からも影響しています。運動不足であれば運動をし、賦活化させ、昔のように機能を回復することで唾液分泌量が増加します。これは生理学的に唾液分泌を促すとされる咀嚼回数、咬合力、舌、口輪筋など咀嚼筋や表情筋群の機能回復を目標とします。 (対応) よく咬む、大きく口を開けるなど日常生活でもできる簡単なアドバイスも有効です。 歯科矯正や摂食・嚥下リハビリテーションでも利用されている筋機能療法を応用した機能回復療法は原因療法としても対症療法としても有効です。
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